開業コストの上昇と後継者不足の解消
医院、薬剤師、介護、歯科医院等のクリニック関連の開業コストは年々上昇をしています。競争の激化によるテナント賃料の高騰や開業時の内装コストの高騰、採用難による採用コストの上昇等もコストを上げる要因になっています。
また、開業の乱立により集患の難易度も上昇しており、開業によるリスクは決して低いとは言えません。それに対して医療関連の従事者の高齢化も進んでおり、それは開業医に限らず、薬局、介護、歯科医院等全般に渡って共通の課題となっています。
そこで、既存の患者基盤を引き継いで開業する事業承継型のM&Aによる開業の普及が社会的にも期待されています。
M&Aによる承継開業の御提案
開業環境の厳しさに対応するには?
東京都心等での開業を検討するにあたり、2020年4⽉以降に外来医師多数地域に指定されている地域で新規開業をする場合には、その地域に不⾜している医療を必要な機能として求められる場合もあります。
また、既に開業医が集中しているエリアでは集患競争も熾烈さを極め、需要も多いが競合も多い状態です。そのような状況に際して、新たな御提案としてM&Aによる承継開業を御提案します。
M&Aによる承継開業とは?
継承開業とは、既存クリニックをM&Aにより取得し、そのまま引継ぐ形で開業をするという⽅法です。継承開業をすることによる主なメリットは下記です。
①初期投資のコスト削減
➁既存患者の承継
③既存看護師や従業員の承継
④医療機器の承継
継承開業は珍しい開業方法として従来は考えられていましたが、ここ数年の認知度の向上やM&Aアドバイザリー会社の急増に伴い一般的な方法として普及し始めました。
まだまだ、全体の開業件数において継承開業は少ない開業⽅法です。
ですが、売り物件(M&Aを希望するクリニック)に対して買い手(開業を検討されるドクター)が少ない今のうちに有利な取引条件の承継開業をする事も戦略の一つとして有効です。
なぜ今のうちに承継開業がおすすめなのか?
現在、一般的なビジネスの世界ではM&Aにおいて、買い手よりも「売り手有利な状況」が続いているからです。現在は良い会社を売りたいという企業よりも、買いたいという企業の方が多いのです。
それは、10年程前まではM&Aと言えば大企業だけの話として考えられてきましたが、ここ数年は先述のM&Aアドバイザリーの急増に伴い、中小企業でもM&Aが一般的になってきたからです。
今後、M&Aによる医業承継が一般的になると、有利な立地や有利な患者基盤を持っているクリニックはすぐに売れてしまい、売値も上がっていきます。
M&Aは売り手側の相場は需要により上がっていきます。まだまだ一般的ではない今だからこそチャンスは大きいと考えます。
地域医療を引き継ぐ医療従事者としての存在意義
後継者がいないという理由でクリニックが廃院すると患者は困り、看護師や従業員は新たな再就職先を探す必要があります。つまり、地域医療の衰退につながります。
クリニックをM&Aにより継承する事で既存の患者様は継続して医療を受けることができ、従事する看護師や従業員の雇用も継続されます。
つまり、この文章を読んでいるドクターが存在したことで、クリニックの経営は存続し、その地域の医療も引き継がれるのです。それは医療従事者としての存在意義としてとても大きなものであると考えます。
M&Aによる医療事業拡大について
複数クリニックの経営
既にクリニックを経営されているドクターにとってもM&Aによる医業承継はメリットのある手段です。クリニックを物件取得から一から始めるにあたりかかる費用を抑制させる事ができるため事業拡張のスピードを速める事ができます。
また、同⼀医療法⼈でクリニックを分院展開することで、地域分散を図り、経営リスクを分散することができます。また、複数のクリニックを経営する事で、スケールメリットを活かした購買や人員の配置をクリニック間で調整する等の弾力性に富んだ経営も可能になります。
メリット・デメリットを整理
M&Aによる医業承継はメリットだけではなく、デメリットもあります。ここではそれぞれを整理しておきます。良い面ばかりではなく、デメリットもあります。
当社ではデメリットに関してもフォローできるサービス体制を整えた上でM&Aによる医業承継を御提案していきます。
メリット
・現院長から経営ノウハウの承継が可能
・内装や設備機器の設備投資を抑制できる
・既存認知度があるため広告費を抑制できる
・集患コストを抑制できる
・金融機関からの融資を受けやすい
・人材の採用や教育に関する費用を抑制できる
事業承継型での開業の最大のメリットとは「時間の短縮」です。医療事業を進めるにあたり要する経営ノウハウの習得期間や設備投資期間、患者様を集める期間やスタッフの採用期間の短縮を図れる事が最大のメリットです。
経営を軌道に乗せるためには時間がかかります。クリニック経営に関わらず多くの事業が初期投資期間は赤字が続くのが通常です。ですが、医療承継の場合は既存の経営基盤を引き継ぐ事で赤字期間を発生させるリスクを極力抑えながら開業が可能になります。
デメリット
・譲渡医院の案件自体が少ない
・古い設備、間取りの医院を引き継ぐことになる
・前院長に譲渡対価(のれん)を支払う必要がある
・医療方針が合わない場合の引継ぎトラブル
・スタッフの引継ぎに伴うトラブル
・隠れた負債等が存在するリスク
事業承継型におけるデメリットとしては、新しいクリニックを一から作るのではなく、既にあるクリニックを引き継ぐ事で起きるトラブルが主たるものとなります。
既存のクリニックにおける利害関係者がいますのでその方たちとの調整が必要になるケースも一部には出てきます。また、古い設備や内装を引き継ぐ事も新たな気持ちでの開業とは少し違うスタートとなります。
当社ではそういった承継後の課題に対応するためのサービスもご用意しております。単に承継開業を仲介するだけではなく、承継後の経営支援も含めたサービスを提供することでドクターのリスクを低減させます。
リスクへの対応方針
デューデリジェンス
承継開業におけるM&Aにおいてはデューデリジェンスという売り手側のクリニックの査定を行います。具体的には財務面での問題が無いかを調査したり、法律面での問題が無いかを調査します。また、業務面でのデューデリジェンスも行いクリニックの経営オペレーション上も問題が無いかを調査します。
これにより、売り手側のクリニックからの開示された情報との差異を分析し、承継にあたってリスクが無いかを判断します。実際の財務面でのデューデリジェンスは提携先公認会計士が行い、法律面でのデューデリジェンスは提携先が弁護士が行います。
当社においてはクリニックの業務オペレーションのデューデリジェンスを行い実際に承継後にネックとなる業務オペレーションが行われていないかを調査します。業務オペレーションのデューデリジェンスはコンサルティング会社でのM&A業務経験者、または当社でのクリニック関連の業務に精通した専任担当者が行います。
クリニックリノベーション
クリニックの承継開業にあたっては前院長時代の古い設備と内装を引き継ぐ形となります。医療器具自体はクリニック経営を滞りなく行っていたのであれば買い替えの需要がすぐに発生する医療器具はあまり無い可能性が高いです。
内装に関しては古さが気になったり、ご自身が承継されるにあたり心機一転して開業されたい場合はリノベーション工事を実施することも可能です。当社の別事業部の中に不動産リノベーション事業部があるため、そちらにてクリニックのデザイン及び内装工事の設計から施工までを一貫して行えます。
自社にてリノベーション事業部を持つため低コストでの内装工事が可能になり、開業にあたるコスト削減に寄与します。
PMI支援
PMI(Post Merger Integration)とは通常M&Aによる買収時に行われる、買収先企業の統合業務の事を指します。ここでは、ドクターが医療承継されたクリニックに馴染んで経営を行うにあたり支援する業務を当社ではPMIとして定義しています。
承継開業において必要となる基本的な情報の引継ぎや、業務オペレーションの引継ぎ、スタッフの方の管理や、ITツールの使用方法等、多岐にわたるクリニック経営における基本業務の引継ぎ支援を当社が行います。これは実際に承継開業されてから周囲のスタッフに手取り足取り教えてもらうには相互に負担が大きい業務です。
また、本来スムーズに引き継ぎが行われて、クリニックの経営が安定成長することがドクター及びスタッフ双方において利益となるはずです。円満な引継ぎ業務を当社が支援することで承継開業におけるドクターの不安を解消させます。
承継開業のM&A手数料
M&A手数料
手数料に関しては一般的な業務着手金+業務中間報酬+成功報酬のうち、成功報酬のみとさせて頂いております。レーマン方式と言われる販売金額に応じた成功報酬算定式によって手数料が計算されますが、その場合中小企業においては最低手数料の金額が大きく影響してきます。
最低手数料が高いと、買収金額のそれほど高くない案件であっても大半が手数料が占めてしまうという買い手にも売り手にも不利な状況が発生してしまいます。そのため、当社は最低手数料も低く設定することでより成約しやすい環境を整えています。
成功報酬以外は無料・成約基本料100万円
譲渡企業の時価総額 | 料率 |
0円超~2,000万円以下の部分 | 10% |
2,000万円超~4,000万円以下の部分 | 9% |
4,000万円超~6,000万円以下の部分 | 8% |
6,000万円超~8,000万円以下の部分 | 7% |
8,000万円超~1億円以下の部分 | 6% |
1億円超~5億円以下の部分 | 5% |
5億円超~10億円以下の部分 | 4% |
10億円超~50億円以下の部分 | 3% |
50億円超~100億円以下の部分 | 2% |
100億円超の部分 | 1% |
料金計算事例 5,000万円(税込み)での取引が成立した場合
①制約基本料 100万円
➁2,000万円以下部分 200万円
③2,000万円~4,000万円の部分 180万円
④4,000万円~5,000万円の部分 80万円
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報酬額=①+➁+③+④ 560万円(税抜き)
上記のM&A手数料の他に売却先クリニックの取得費用(規模により変動)、デューデリジェンス費用(20万円~50万円前後)、登記所費用等が手数料としてかかります。
承継開業の流れ
お問合せ
お問合せフォームより必要事項をご入力の上お問合せ下さい。
事前相談
当社でのご面談または遠隔であればオンラインでのご面談のうえご希望の条件を伺います。
秘密保持契約
実際に候補先を選定するにあたり秘密保持契約を結ばさせて頂きます
候補先選定
ノンネーム(相手先名を伏せて)承継先候補の選定作業を実施します。ある程度対象が絞れた段階でネーム開示をして交渉を開始します。
条件交渉・合意
取得金額の条件交渉を行います。金額の合意ができた段階で基本合意書を交わします。
デューデリジェンス
買収先のクリニックの財務・法務・業務面での調査を実施します。対象先の規模により調査期間が異なります。
最終合意
デューデリジェンスの結果を経て問題が無ければ、最終合意となります。
なぜ当社である必要があるのか?
創業期からM&A業務に精通
複数の事業展開を行っている当社の創業期からの事業の一つがM&Aのアドバイザリー業務になります。これまでに多数の企業の事業承継を支援してきた実績を基に多くのドクターの承継開業に貢献をします。
中小企業に特化した業務展開
当社の事業の多くは大手企業よりも地場の中小企業をお客様とした事業が占めています。そのため、より小さな事業や開業に伴うご支援に対してもきめ細かく対応が可能です。
多角化展開における経営支援
当社の事業の中で、不動産取引や内装のリノベーション工事を支援するリノベーション不動産事業部。新規事業や事業拡張を支援するビジネスデザイン事業部がございます。
開業を検討しているドクターにとって不動産取引や院内内装、広告宣伝等で必要となる取引先を探す手間が省けます。また、一貫した方向性の基にご支援をする事が可能です。
承継後の事業成功をゴールとして設定
当社のM&Aアドバイザリー業務のゴールは「M&Aの成立」ではなく、成立後の事業の成功をゴールとして設定しています。仲介だけして終わりという従来のアドバイザリー業務だけでは出来ない承継後のご支援も一貫して実施することが可能です。